世界的にも注目されているオレゴンのピノノワール。そのほとんどを生産するのがウィラメットバレーです。
この記事では、その中でも特におすすめのワイナリーと代表的な銘柄を5選。いずれも非常に評価の高いワインを紹介したいと思います。
オレゴンの代表的なワイナリーとおすすめのピノノワール
ボー・フレール(Beaux Freres)

1986年にマイケル・エッツエルが義理の兄でワイン評論家のロバート・パーカーからの投資を受けてウイラメットバレーに土地を購入したのが始まり。
ボー・フレール(Beaux Freres)はフランス語で「義理の兄弟」という意味。リボンリッジの丘の中腹120メートルに30エーカーの自社畑(ボー・フレール)を購入、1988年に植栽をはじめ、90年にケン・ライト(Ken Wright Cellars)とディックポンジ(Dick Ponzi)にブドウを販売、
91年が初ヴィンテージ。2000年にはそこから少し北、さらに標高の高い場所に40エーカーのアッパーテラスで植栽を始める。栽培にはビオディナミ農法と有機農法を取り入れ醸造も在来酵母。
熟成における新樽比率はヴィンテージによって30~50%程度で調整。ワインを樽から樽へ移動させるラッキングプロセスを行わないことでワインの酸素への露出を最小限におさえる。
ボー・フレール・ヴィンヤード(The Beaux Frères Vineyard Pinot Noir)

ワイン名 | ザ・ボー・フレール・ヴィンヤード・ピノノワール |
産地 | ウィラメットバレー/リボンリッジ |
評価 | 2019:WS94,WA98 2018:JS96,WS95(#9 Top100),V95,WA94 ※これまでWS Top100を6回受賞(うちTop10が2回) Vivino:平均4.4 |
価格 | ワイナリー価格$95 |
1988年に最初に植えられた、ヴィンヤードからのフラグシップワイン。
キャンディでコーティングされた香り(アロマ)と赤いイチゴの種、常緑のスパイス、湿ったローム質の土壌、プラムソース、香ばしい土、シルクのようなしっかりとしたタンニン。明るくエネルギッシュでクラシカルな活気。
2019年ヴィンテージは寛大さと洗練さを兼ね備えている。ポプリ、砂糖づけのチェリー、アジアンスパイスやお香のようなアロマ。シルクのようなタンニンに包まれた青と赤の果実味、新鮮なフェンネル、ジューシーなクランベリー。壮大で食欲をそそるフィニッシュ。
Beaux Frères 2019ワインメーカーノート
ウィラメットバレーの中でも最も評価の高いワイナリーのひとつ。同等のレイティングのカリフォルニアのワインと比較してもまだまだ割安という印象。
・ワイナリーのホームページ
・Vivino
・Wine.com
2018年ヴィンテージ、2万円強とこちらはかなり高級
ウィラメットバレーのAVA単位だともう少しお手頃で最新ヴィンテージでも入手可
ドメーヌ・セリーヌ(Domaine Serene)

グレースとケン・エベンスタッドの夫婦が1989年にウィラメットバレーのダンディヒルに42エーカーの土地を購入し設立。現在娘のセリーヌにちなんでワイナリーに名前をつけた。
現在ではダンディヒルを中心にヤムヒルカールトン、エオラ・アミティ・ヒルズと合わせて6つの畑がある。90年の初ヴィンテージから数々の受賞歴があり、ワインスペクテータ誌からピノノワール、シャルドネの両方でトップ3を獲得した唯一のワイナリー。
6つの異なるエステートは、多様なクローン、台木、微気候、斜面、標高を有しており、ピノノワールとシャルドネに複雑さと優雅さをもたらしている。乾式栽培などの環境に配慮したブドウ栽培、低収量へのこだわり。2021年にはスパークリングワインとシャルドネに特化したワイナリーも新たに建設された。
イヴィンスタッド・リザーブ(‘Evenstad Reserve’ Pinot Noir, Willamette Valley, Oregon)

ワイン名 | イヴィンスタッド・リザーブ・ピノノワール |
産地 | ウィラメットバレー |
評価 | 2018:JS95,WS94,WE92 2017:JS96,D94,WS92 2016:D95,JS95,RP93 Vivino:平均4.4 |
価格 | ワイナリー価格$80 |
1990年の初ヴィンテージ以来ドメーヌ・セリーヌのフラグシップ。30年以上にわたるワインづくりの特徴となるブレンド。オレゴンのピノノワールのベンチマーク。
鮮やかなルビーレッド、ドライチェリー、ダークチョコレート、サドルレザーの香り。味わいは、タンニンの波紋、チェリー、タバコ、すりつぶしたクローブ、オールスパイスの香ばしい特徴。非常に濃縮された
Domaine Serene 2018ワインメーカーノート
紹介したのはウィラメットバレーのエステートのブレンドですが、それ以外にも単一畑のものなど多数ラインナップされていていずれも高評価。
・ワイナリーホームページ
・Vivino
・Wine.com
日本でも入手可能、11,000円台
ドメーヌ・ドルーアン(Domaine Drouhin)

ドメーヌ・ドルーアンはブルゴーニュの有名なメゾン・ジョセフ・ドルーアンが1987年に設立したワイナリー。ダンディヒルの頂上に位置する235エーカーの土地に130エーカーのブドウ畑と4階建ての重力式レイアウト(ポンプを使わず重力を利用してワインを移動させるためワインへのストレスが少ない)のワイナリーをもつ。
ブルゴーニュに匹敵する可能性を見出したロバート・ドルーアンのビジョンを実現した場所。ブドウは持続可能な方法で栽培され、収穫も完全に手作業で行われる。2013年にはエオラ・アミティ・ヒルズにローズロックヴィンヤードを新たに購入、火山性の土壌、冷涼な気候、理想的な標高の素晴らしいテロワールを有するブドウ畑。
ブルゴーニュの伝統的な醸造法、重力を使ったブドウの移動、新樽比率は20%びフレンチオークで12~14カ月の熟成。卓越性、バランス、エレガンス、長寿命なワインをめざしてつくられる。
ローレン(Lauréne Pinot Noir)

ワイン名 | ローレン・ピノノワール |
産地 | |
評価 | 2018:JS95,WE95 2017:WE93,WS93 2016:W&S94,WE93,WS92 Vivino:平均4.2 |
価格 | ワイナリー価格$75 |
2018年のローレンは、多くの点で、ダンディヒルのワインについて私たちが最も愛していることを体現しています。アプローチ時に美しい透明度とガーネットの色を提供し、芳香族は乾燥したレッドチェリー、スパイス、野生のハーブ、土、そして微妙なオークのノートで縁取られます。特徴的にエレガントなこのワインは、ザクロの歓迎からクローブ、白コショウ、クランベリーの詳細なラインへとシームレスに移行し、味わいを進化させます。いつものように、今後5〜15年間にわたってローレンを貯蔵することは十分に報われるでしょう。
Domaine Drouhin 2018ワインメーカーノート
ダンディヒルズを代表するワイナリーでローレン以外に$45のエステートも。同じウィラメットバレーのエオラアミティにあるローズロックはドルーヒンの傘下。
・ワイナリーのホームページ
・Vivino
・Wine.com
日本でも入手しやすそう。こちらだと6,000円台なので現地の実勢価格より安いかも。
ケンライト(Ken Wright Cellars)

ケンライトは1994年にウィラメットバレーのカールトンに設立された。「ピノノワールはワインが栽培されている場所の香り、風味、質感を伝えるための究極の手段」という考えをもとにウィラメットバレーの北部の13のヴィンヤードからの単一畑にこだわる。
ワインスペクテータ誌から90ポイント以上を100回以上獲得、2015年にはオレゴンのワイナリーとしてはじめとして表紙をかざるなどオレゴンを代表するワイナリー。
ワインの栽培に関してはソースが全て、土壌と母岩、ブドウの木を分析し、最適な場所、クローン、台木の選択、ブドウの間隔、トレリスシステムに注意がはらわれる。
手作業で選別されたブドウは少量のバッチで発酵され、100%フレンチオークで約1年熟成される。特徴的なラベルは地元のアーティスト、デヴィッド・バークバムがデザインしたもの。
シア・ヴィンヤード(Shea Vineyard Pinot Noir)

ワイン名 | シア・ヴィンヤード・ピノノワール |
産地 | ウィラメットバレー/ヤムヒルカールトン |
評価 | 2017:WE96,WS93 2016:WE97,WS94 2015:WE93,WS92 Vivino:平均4.3 |
価格 | ワイナリー価格$62.5 |
フローラル&スパイス。ジューシーな赤と黒の果実。オレンジの皮、腐葉土、紅茶の香りと味わい。(2018)
フローラル&スパイス。アニス、コーラ、ラズベリー、ブラックチェリーなどの赤と青の果実。シームレスな味わい。(2017)
Ken Wright 2017/2018 ワインメーカーノート
単一畑、AVA単位、ブレンド、とラインナップが非常に豊富。
・ワイナリーのホームページ
・Vivino
・Wine.com
同じものは日本では流通していませんでしたが、以下はウィラメットバレー内の別の単一畑。7,000円台なのでお買い得な感じ。
クリストム(Cristom Vineyards)

1992年に現在のオーナーであるトム・ジェリーの父ポール・ジェリーによって設立された。長年カレラでワインづくりをしてきたスティーブ・ドナーが設立以来ワインメーカーを務める。
ヴィオディナミ農法と有機農法を組み合わせてブドウを栽培、テロワールの最高の表現が最高のワインを生むという哲学。バランスが良くダイナミックなワインづくりのための伝統的な、低収量、ホールクラスター発酵、天然酵母。
エオラ・アミティ・ヒルズにある5つの自社畑(エステート)は60~240メートルの標高にある東向きの土地でミネラルが豊富で火山性の土壌は変化に富み激しい風は明るい酸味をワインのもたらす。
土壌、標高など各サイトの個性を最大限に引き出すための栽培、醸造。自社畑以外にもウィラメットバレー内の優秀な畑とも契約。
アイリーン・ヴィンヤード(EILEEN VINEYARD PINOT NOIR)

ワイン名 | アイリーン・ヴィンヤード・ピノノワール |
生産地 | ウィラメットバレー/エオラアミティ/アイリーンヴィンヤード |
評価 | 2019:RP96,JS96,WE93 2018:JS95,RP92 2017:V95,W&S95,JS94 Vivino:平均4.2 |
価格 | ワイナリー価格$75 |
ミディアムルビー、2019ピノノワールアイリーンヴィンヤードは純粋で繊細でとてもきれいです!ラズベリーとブルーベリーのアロマにタンジェリンの皮、アニス、素朴なアクセントを重ねたものです。ジューシーな酸味と非常にシルキーなテクスチャーで溢れ、強烈な層状のフレーバーにもかかわらず、味わいは無重力の感触を持ち、途方もない長さで終わります。
Wine Advocate
日本でも人気のカリフォルニアを代表するピノノワールの「カレラ」出身のワインメーカーがオレゴンでつくるピノノワール。
・ワイナリーのホームページ
・Vivino
・Wine.com
こちらも2018年のヴィンテージも日本で入手できそう。8,000円台。
まとめ
ウィラメットバレーを代表するワイナリーのおすすめポイント。いずれも高級だが、同等レベルの評価や人気のブルゴーニュやカリフォルニアにくらべると比較的リーズナブル。それぞれのワイナリーで異なる畑やウィラメットバレー内の他のAVAなど種類も豊富。
ワイナリー/銘柄 | 評価/価格 | おすすめポイント |
ボーフレール/ザ・ボーフレール |
価格:$95 Vivino:4.4 専門誌(平均):95.3 |
WSのトップ100に過去6回(うちトップ10が2回)と非常に評価が高いワイン |
ドメーヌ・セリーヌ/イヴィンスタッド・リザーブ |
価格:$80 Vivino:4.4 専門誌(平均):94.0 |
オレゴンを代表するワイナリーによるウィラメットバレーのブレンド・ピノノワール |
ドメーヌ・ルーアン/ローレン |
価格:$75 Vivino:4.2 専門誌(平均):93.6 |
ブルゴーニュの伝統をオレゴンでも最高のテロワールを表現したピノノワール |
ケンライト/アイリーン・ヴィンヤード |
価格:$62.5 Vivino:4.3 専門誌(平均):94.2 |
単一畑にこだわるケンライト、その中でも人気、評価の高いピノノワール |
クリストム/アイリーン・ヴィンヤード |
価格:$75 Vivino:4.2 専門誌(平均):94.5 |
日本でも人気カリフォルニアのカレラ出身のワインメーカーがオレゴンでつくるピノノワール |
日本で買うなら、ドメーヌ・ドルーアンがかなりお買い得な印象。アメリカで購入するのとあまり変わらない価格。
全般的に、単一畑でなく、AVA単位のものなら4,000円程度でも良いものが見つかりそう。

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