【アメリカワイン解説】世界的に高評価「オレゴンのピノノワール」の特徴と産地

ワイン解説記事

カリフォルニアの北に位置するオレゴン州は全米で第4位のワイン産地。フランスのブルゴーニュとほぼ同じ緯度にあり冷涼な気候。家族経営主体の個性豊かなワイナリーがつくるワインは世界でも注目されています。

特に域内で60%を占めるピノノワールは得に評価が高く、中でもウィラメットバレーのピノノワールは世界的にも認知されるブランドとなっています。

この記事では、その世界的にも評価の高いウィラメットバレーのピノノワールの特徴と代表する産地とワイナリーについて紹介していきたいと思います。

オレゴンのおすすめのピノノワールの銘柄について先に知りたいという方は以下の記事をご参照ください。

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オレゴンのワインについて

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オレゴンでは21のワイン生産地と900以上のワイナリ100種類のブドウが生産されている。

美しい海岸、透き通った湖、広大な砂漠などの世界で最も多様で美しいワイン生産地。

ワシントン州との境界にある「アメリカで最もユニークなワイン産地」といわれるコロンビア渓谷、同じくワシントン州との境界にありボルドー系品種で評価の高いワラワラバレー、全米でも最も人気の街ポートランドのアーバンワイナリーなど、ワイン生産地として注目されるオレゴン州。

その中でもピノノワールを中心にオレゴンを代表する産地がウィラメットバレーとなっています。

オレゴンのワインのポイント
・ブルゴーニュとほぼ同じ緯度に位置し冷涼な気候
・年間5,000ケース以下の家族経営のワイナリーが70%、少量生産、高品質
ワイナリー数が急拡大はここ20年で139→908軒、ワイン畑も480→1297
ピノノワールが全体の約60%で圧倒的、ピノグリ、シャルドネ、シラーが続く
・生産量は全米の1%程度だが、2020年にはトップ100には7%選出と高品質
・域内の中心はウィラメットバレーで全体の約70%の生産、特にピノノワールは世界的な銘醸地

代表的なオレゴンのワイン産地:ウィラメットバレー

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ウィラメットバレーには700近いワイナリーがあり、生産量もオレゴン全体の70%と。特にピノノワールは世界でも有数の産地として認めれれています。


1966年にウィラメットバレーのダンディヒルズで初めてワイン用のブドウが植えられ、それから50年以上にわたって拡大を続け現在では25,000エーカー(約100平方キロ)を超える栽培面積となっている。

太平洋から80キロ、北はポートランド近くのコロンビア川から南のユージーンまでの長さ160キロで幅100キロの広い谷(バレー)。西側のコースト山脈によって太平洋の空気と暴風雨から守られ、谷の東側には、カスケード山脈があり、内陸の極端に乾燥した砂漠のような気候から守られてる。

全体的に冷涼な気候をベースにした長く穏やかな成長期をもたらします。夏は日中は温暖で夜は冷涼。降水量は多いがほどんどが収穫後の秋から冬にかけてといずれもブドウの栽培に適した気候となっています。


谷底は肥沃な沖積土はワイン栽培には向いておらず、高い標高の冷涼すぎる気候をさけるため、ほとんどのワイン畑は低い丘の中腹にある。土壌は主に火山性、海洋堆積性などの土壌が中心

土壌とワインの関係はこちらの記事もご参考


栽培されるブドウはウィラメットバレーのフラグシップでもあるピノノワールが圧倒的に多く70%近くを占める、それ以外にはピノグリ、ピノブラン、シャルドネ、リースリング、等。

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ウィラメットバレーのポイント
オレゴンの70%を占める代表産地
・東西の山脈に守られた特殊な地形による恵まれた栽培環境
ピノノワールがフラグシップで全体の70%を占める
・9つのサブAVAが域内にあり、中でも「ヤムヒル・カールトン」、「エオラ・アミティ・ヒルズ」、「ダンディヒルズ」、「リボンリッジ」などがなどが有名

代表的なサブAVA

ウィラメットバレーには9つのAVAがあるがその中でも有名なAVAを4つ紹介していきます。

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ヤムヒルカールトンAVA(Yamhill-Carlton AVA)

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ウィラメットバレーの北西に位置するこの地域は1980年後半から90年初頭にかけてブドウの木が植えられ2004年にサブAVAとして認定される。歴史的に林業と農業の盛んな牧歌的な地域であったが今ではピノノワールの世界的な名産地となっている。

この土地固有の海洋堆積性の土壌はウィラメットバレーでも最も古い土壌で粒が粗いため水はけが非常に良くブドウの成長を遅らせることで完全な成熟と豊富なタンニンをもたらす。酸味は他の地域と比較すると低めで色も暗く深いルピー色、複雑なフレーバー、シルキーなタンニンのピノノワール。

ヤムヒルカールトンの特徴
  • ワイン畑:110
  • 栽培面積:2,500エーカー
  • 土壌:海洋堆積シルトローム土壌
  • 地理:ウィラメットバレーの北西にある南向き馬蹄型のボール型の地形
  • ワインの特徴:色は濃く深いルビー色、赤と青の果実、カカオ、皮革、アニス、グローブ、新鮮な土、酸性度は他の地域より低め。

エオラ・アミティ・ヒルズ(Eola-Amity Hills AVA)

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ウィラメット川に隣接するエオラ丘陵とアミティ丘陵の2つの丘で構成されたAVA。この地域の開拓は1970年代半ばから1980年代初頭にかけて。この地域のワインの特性に影響をあたえているのは、浅い土壌とヴァンデュザー回廊と呼ばれるこの地域の海からの冷たい風。

土壌は古代の溶岩流からの火山性玄武岩と海洋堆積物や沖積堆積物が組み合わされ、浅く岩の多い土壌となり、濃度の高い顆粒の小さいブドウとなる。ヴァンデュザー回廊と呼ばれるこの地域の冷たい海風は特に夏の終わりの午後に気温を低下させ、酸をしっかりと保つのに役立つ。

エオラ・アミティの特徴
  • ワイナリー:33
  • ワイン畑:125
  • 栽培面積:3,059エーカー
  • 土壌:火山性玄武岩、海洋性堆積物、沖積堆積物の浅く岩の多い土壌
  • 地理:ウィラメットバレーの中央北
  • ワインの特徴:黒と青の果実、ブラックチェリー、プラム、カシス、他の地域より酸性度が高い。

ダンディヒルズ(Dundee Hills AVA)

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ウィラメットバレーで最初にブドウが植えられた場所であり、オレゴンのピノノワールが最初に世界的な評判を獲得したのがこのダンディヒルズ。

1979年にブルゴーニュでの国際的なブラインドテイスティングでトップ3に選ばれたことがきっかけで、メゾン・ジョセフ・ドルーアンを含むブルゴーニュの生産者などからも注目され、その後のドルーアンはこの地でワイナリーを建設することに。

土壌は火山性の玄武岩だが他の火山性の土壌を持つ地域と比べて酸味が少なく豊潤なあじわいが特徴。一般的な高品質のオレゴンの印象はこのダンディヒルズの特徴を表すことが多い。

ダンディヒルズの特徴
  • ワイナリー:28
  • ワイン畑:98
  • 栽培面積:2,226エーカー
  • 土壌:火山性玄武岩
  • 地理:ヤムヒルカールトンの東、ウィラメント川の西
  • ワインの特徴:レッドチェリー、ラズベリー、ストロベリーなどの赤い果実、他の火山地域と比較すると酸味は少な目、豊かなテクスチャー


リボンリッジ(Ribbon Ridge AVA)

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チェハレム・マウンテンズAVAに含まれるサブAVAであるリボンリッジ。リッジ(尾根)がリボンのようにねじれているためその名前がつけられた。チェハレム山脈の北西端からの海底堆積物の隆起があり、土壌は均一な海洋堆積土壌。

非常に細かい砂岩、シルト岩、泥岩の母材のため細かく保水能力を持つため灌漑されていない畑でもブドウの栽培を可能にする。ワインの栽培は標高約70メートル以上の場所で行われる。ほとんどのブドウ園は乾式。赤と青い濃い果実のプロファイルをもったワインが特徴。

リボンリッジの特徴
  • ワイナリー:10
  • ワイン畑:34
  • 栽培面積:379エーカー
  • 土壌:火山性玄武岩
  • 地理:チェハレム・マウンテンズAVA内のサブAVA
  • ワインの特徴:ワイルドなブランブルの濃い赤と青い果実、のプロファイル。スパイシーで比較的高い酸としっかりとしたタンニン

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