漫画「神の雫」の続編で2015年~20年まで連載の「マリアージュ~神の雫 最終章~」
そこに登場するカリフォルニアワインを7銘柄紹介したいと思います。
前作と比較すると本数は少なく若干偏った内容になりますが、人気漫画に登場したカリフォルニアワインということで、何かのネタにもなるのではないでしょうか。
漫画でのコメントや登場人物による表現と実際のワインの最新ヴィンテージの情報や造り手やプロの評論家のコメントなど比較すると面白いと思います。
マリアージュ~神の雫 最終章~に登場するカリフォルニアワイン
ブエナ・ヴィスタ・ソノマ・ピノ・ノワール 2013年
ソノマカウンティにあるカリフォルニアでも最も歴史の古いワイナリーがブエナビスタ。ハンガリー出身の入植者が1857年に設立。登場するのはリーズナブルなピノノワールだが、カベルネ・ソーヴィニョンを始めとした高級ワインも生産する。

【登場シーン】
ラタトゥイユとのマリアージュを探すためにレストランで最初にテイスティングするワインとして登場 マリアージュとしては無難
過剰なところがまったくなくて控えめないいピノ・ノワールだ
ブルゴーニュのピノとはまた違った近づきやすい魅力がある例えていうなら淡い色でモダンでシャレた街角を描いた
マリアージュ~神の雫 最終章~6巻#50、神崎雫
パステル画みたいなワインだよ
生産者 | ブエナビスタ |
ワイン名 | ノースコスト・ピノノワール* |
ブドウ品種 | ピノノワール |
産地 | ノースコースト |
評価 | 2018:WE91 Vivino:3.8(平均) |
価格 | $16~$18 |
※漫画に登場のワインはソノマカウンティでしたが現在リリースされているのはノースコースト
ラズベリーとストロベリーのアロマのブーケにココアパウダー、クローブ、カルダモンを混ぜたもので始まります。
赤い果実のフレーバーが味わいに続き、シナモンとチェリーパイの含みがあります。低い酸味と明るい味わいのバランスが取れており、満足のいく仕上がりで、すぐに楽しめるワインになります。
2018ヴィンテージ、ワインメーカーノート
日本でも2,000円台。
ケイネズ・ワイナリー・ピノ・ノワール・アンダーソン・ヴァレー 2012年
ノースコーストの北端、メドシーノのアンダーソンバレーにある家族経営のワイナリーのピノノワール。ソノマやサンタバーバラと比べると知名度では劣るがカリフォルニアでも屈指のピノノワールの産地の単一畑のもの。
こちらのワイナリーのワインは生産量が少ないのでほとんど流通していない。

【登場シーン】
パリで新世界のワインを出すレストランでエスカルゴとのマリアージュで登場 美しいマリアージュという評価
新世界のピノ・ノワールは香りが乏しいものが多いがこれは華やかな香りだ
一昔前のカリフォルニアのピノ・ノワールは不自然に甘くて過剰な果実味があって好きになれなかったが・・・・・これはまったくそうではない
静けさのあるエレガントなワインだ
心地よい酸味があってなんていうか涼やかな風を感じるワインだ
出展:マリアージュ~神の雫 最終章~8巻#66、ルイ・ベルナール(ソムリエ)と神崎雫のやりとり

生産者 | ケイネズ(Knez Winery) |
ワイン名 | デムス・ヴィンヤード・ピノノワール |
ブドウ品種 | ピノノワール |
産地 | メドシーノ/アンダーソンバレー |
評価 | Vivino:4.0(平均、ただし300件以下) |
価格 | $30(現在は入手困難) |
卓越した2012年のヴィンテージは、同義のエレガンスと卓越した深みを備えた果実を提供しました。
ボトルを開けると、ハイビスカス、ローズヒップ、カルダモン、タールのフローラルトーンが手招きします。ブラッドオレンジ、ザクロ、エキゾチックなスパイスの魅力的な中味が、しなやかなタンニンでフィニッシュを引き立てます。
今は親しみやすいですが、進化に向けて何年もかかります。
2012ヴィンテージ、ワインメーカーノート
漫画に登場の2012ヴィンテージが6,000円台。
ザ・プリズナー 2014年
アメリカでも人気。型破りなブレンドから生み出される独特の世界観で注目されるワイナリーのシグネーチャーとなるワイン。

【登場シーン】
ルイ・ベルナールの息子が作ったガトーショコラとのマリアージュで登場
ジンファンデル独特の好き嫌いの分かれる強い個性がガトーショコラと合わせると不思議な融合を見せる
ええ 高貴で品の良い甘みがふんわりと口の中に広がる・・・・・
なんて素晴らしい相性なんだ・・・・・例えていうなら 激しい個性を持った人間同士がチームを組んだ時
なぜかその個性がぶつかり合うのではなく 補い合い 認め合い
そして化学反応を起こしたかのようにまったく別のポテンシャルを発揮するそう これはまるで個人派の選手を集めたサッカーの代表チームだよ
それぞれが違うクラブチームで活躍しているエース格の選手だから うっかり組み合わせを間違えると崩壊してしまう
でも それが完璧なマリアージュおを成した時奇跡を起こし
マリアージュ~神の雫 最終章~8巻#67、神崎雫
大物食い(ジャイアントキリング)が起こるんだ

生産者 | プリズナー(The Prisoner Wine Company) |
ワイン名 | レッド・ブレンド |
ブドウ品種 (2019) |
ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニョン、プティシラー、シラー、シャルボノ |
産地 | カリフォルニア |
評価 | Vivino:4.4(平均) |
価格 | ワイナリー価格$49 |
熟したラズベリー、バニラ、ココナッツの鮮やかなアロマが、フレッシュでドライなブラックベリー、ザクロ、バニラのフレーバーに変わり調和して滑らかで甘美な仕上がりになります。
2019ヴィンテージ、ワインメーカーノート
日本だと1万円以上と少し高い。
ベラ・ヴィンヤーズ・レイトハーヴェスト・ジンファンデル 2012年
家族絵経営の小さなワイナリー。ソノマカウンティの中でもジンファンデルの名産地で有名なドライクリーク・バレーのもの。
【登場シーン】
遠峯一青との対決でガトーショコラとのマリアージュで神崎雫が選んだワインとして登場

ジンファンデルはアメリカでは多く栽培されている葡萄品種だ
もともと非常に糖分の高い葡萄だがこれはレイトハーヴェスト
つまり遅摘みを行うことでさらに糖度を上げて甘口ワインに仕上げたものだタンニンや酸と甘みのバランスが非常によくべったりとした甘口とは一線を画している
このカカオ濃度の高いガトーショコラにジンファンデルのしっかりとしたタンニンがものの見事にマリアージュしている
生産地である西海岸ソノマのドライクリーク・ヴァレーは夜の気温が低いため
出展:マリアージュ~神の雫 最終章~9巻#81、神の雫騎士団のコメント
しっかりとした酸味を残しながら樹に葡萄がなくなった状態でゆっくり熟成していくの
貴腐菌をつけたり凍結させたりして
葡萄の水分を外に出したソーテルヌやアイスワインとはまた違った風味があるわ

生産者 | ベラ・ヴィンヤーズ(Bella Vineyards) |
ワイン名 | レイトハーヴェスト・ジンファンデル |
ブドウ品種 | ジンファンデル、プティシラー |
産地 | ソノマカウンティ/ドライクリーク・バレー |
評価 | Vivino:4.2(平均、ただし300件以下) |
価格 | ワイナリー価格$34(ハーフボトル) |
フルーツとスパイスの美しいブレンドです。
香りは、香ばしいハーブとブラックベリーのコーディアルが絡み合っています。
アニスシードとダークフルーツは、余韻の長い、完全な口当たりにつながります。
このワインは、デザートと最もよく合う後期収穫スタイルの典型的な甘さのレベルを持っています。
2019ヴィンテージ、ワインメーカーノート
ブロック・セラーズ・ヴァイン・スター・ジンファンデル・ソノマ・カウンティ 2015年
カリフォルニアのバークレーにあるいわゆるアーバンワイナリー「ブロック・セラーズ」を代表するのがこちらのジンファンデル。

【登場シーン】
上海料理「東坡肉(トンポーロ=豚の角煮)」とのマリアージュで登場
造り手のブロック・セラーズは街中の倉庫を改装したワイナリーでワインを造っています
カリフォルニア中の畑からかき集めたさまざまな品種の葡萄を使いワインを造っていますが
このワインはそのなかでもアメリカで人気の高いジンファンデル種100%で造られた作品です個性的な香りと甘みが強く好き嫌いの分かれるジンファンデル種ですが
マリアージュ~神の雫 最終章~13巻#116、神崎雫
このワインは葡萄本来の個性を生かしながらも繊細で誰にでも親しめる味わいになっております

※最新のヴィンテージはラベルのデザインが変わっています
生産者 | ブロック・セラーズ(Broc Cellars) |
ワイン名 | ヴァイン・スター・ジンファンデル |
ブドウ品種 | ジンファンデル |
産地 | ソノマカウンティ |
評価 | Vivino:3.9(平均) |
価格 | ワイナリー価格$36 |
このワインはジンファンデルとシラーの赤のブレンドであった2006年の最初のヴィンテージから進化しました。
2009年には、ソノマカウンティのアローヘッドとバックヒルの両方のブドウ園から調達することができ、Vine Starrを100%ジンファンデルにすることができました。
多くのヴィンテージには、両方のブドウ園からのブドウの50/50分割が含まれていますが、今年は要因の合流により、まれな70%のアローヘッドブドウ園ジンファンデル(果実はより軽く、より赤いベリーの風味があります)と30 %バックヒル(より深く、よりアーストーンのある果実)。これは、過去数年間のブドウ園への火災による被害の結果、収穫量が少なかったものです。
古き良き時代の魅力を備えたフレッシュなワインへの需要が非常に高いため、ボジョレーとノーザンローヌが出会う場所からインスピレーションを得ました。
酸味と新鮮な果物を強調するために常に早めに収穫しますが、2019年には、クラスター全体の30%を残し、70%の除梗された果物を上に置きました。
5トンのステンレス鋼タンクで発酵させ、中性のフレンチオーク樽で10ヶ月間熟成させました。その結果、きっと楽しめるVineStarrの楽しい高揚バージョンができあがります。
2019ヴィンテージ、ワインメーカーノート
ラベルデザインが変わってるが、こちらは同じワインの2019年、5,000円ちょっと。
ハイド・ド・ヴィレーヌ・イザベル・ピノ・ノワール 2012年
ソノマカウンティとナパバレーの南のカーネロスにある一流の畑として有名なのがハイド・ヴィンヤード。このあと登場のポール・ラトやその他にも多くの一流ワイナリーにブドウを供給。ここに登場するのはそのハイド家とブルゴーニュのDRC(ロマネ・コンティ)の共同経営者のヴュレーヌ家が作ったジョイントベンチャー

【登場シーン】
北京ダックとのマリアージュでクリスが持ってきたカリフォルニアのピノノワール3本のうちの最初の1本として登場
透明な紅色だ エレガントな香り・・・・・・ブルゴーニュ?
いや違う
ブルゴーニュワインと比べるとやや控えめな香りだ
しかしブルゴーニュワインを目指して造られていることは間違いないブルゴーニュと見紛うようなアメリカワイン・・・・・
これほど見事にブルゴーニュエレガンスを表現して見せた新世界があっただろうか
それでいて新世界ワインの持つ近づきやすさ豊かな果実味 香りの穏やかさを併せもっているブルゴーニュのトップドメーヌの色合いを濃く備えながら カリフォルニアの近づきやすいテロワールを兼ね備えている
フランスとアメリカの中間のような個性を持つワインです
出展:マリアージュ~神の雫 最終章~16巻#139、神崎雫、クリス

*写真はイグナシア
生産者 | ハイド・ド・ヴィレーヌ(HdV) |
ワイン名 | イザベル |
ブドウ品種 | ピノノワール |
産地 | ソノマカウンティ/ソノママウンテン |
評価 | Vivino:4.3 |
価格 | 実勢価格$120(入手困難) |
日本では入手できそう。2018年ヴィンテージが2万円ちょっと。
登場するものとは銘柄が異なるがこちらの「イグナシア」の方が一般に流通している

生産者 | ハイド・ド・ヴィレーヌ(HdV) |
ワイン名 | イグナシア |
ブドウ品種 | ピノノワール |
産地 | ナパバレー/ロスカーネロス |
評価 | 2019:JS94 2018:JS96 2017:JS96,RP90 Vivino:4.3 |
価格 | 実勢価格$120 |
濃厚なイチゴとルバーブのアロマが、ローズヒップ、ウーロン茶、アニスの層と繊細に織り交ぜられています。
それは、パイクラストとザクロのトーンにつながるハーブの、ほとんどミントの感覚を示します。
このヴィンテージの濃縮はまた、ビロードのようなタンニンと新鮮な酸味を提供しながら、より暗く陰気な特徴をもたらします。
2019ヴィンテージ、ワインメーカーノート
ポール・ラトー・ランスロット・ピソーニ・ヴィンヤード・ピノ・ノワール 2013年
サンタバーバラにあるポーランド出身の元ソムリエが作るカリフォルニアを代表するピノノワールの作り手。多くの単一畑のものをリリースしているがその中でも評価の高い「ピソニ」のブドウから作られたランスロットが登場。

【登場シーン】
北京ダックとのマリアージュでクリスが持ってきたカリフォルニアのピノノワール3本のうち2本目として登場
これは少なくともフランスワインではないね 典型的なアメリカだ
そして非常にクオリティが高いワイン だが待てよ妙だな まだわからない
だが何か普通のアメリカワインとは違う要素が あるような気がする
王座に座った威厳のある姿とは違って
美姫とくつろぐ皇帝の笑顔が見える
王座に座り接見するのが皇帝のあり方だとするなら このくつろぎの様子は庶民と何ら変わらない皇帝の横顔だろうポーランド生まれの元ソムリエ ポール・ラトー氏の造る珠玉のピノ・ノワールのひとつで
出展:マリアージュ~神の雫 最終章~16巻#139、神崎雫
特にこのキュヴェはDRCの「ラ・ターシュ」のクローンを植えたヴィンヤードの葡萄を用いています

生産者 | ポール・ラトー(Paul Lato) |
ワイン名 | ランスロット |
ブドウ品種 | ピノノワール |
産地 | モントレーカウンティ/サンタルチアハイランド/ピソニ |
評価 | 2019:JD97 2018:JD98,RP97 2017:JD97,RP96 Vivino:4.5(平均) |
価格 | ワイナリー価格$95 |
2018年のピノノワールランスロットピノノワールは、私が味わったピノノワールの最高の表現の1つです。
淡い色から中程度のルビーパープル色で、ローズウォーターとお香の最も純粋な香りがあり、アニス、ヨウ素、スモーククランベリー、ブラックベリーの香りがあります。
すぐにアクセスでき、ミディアムボディで、サニーで、フレッシュで、きめが細かく、爆発的なフレーバーレイヤーと長くて活気のある仕上がりになっています。
素敵!今でも素晴らしいですがボトルの中で熟成することのできる構造と果実味があります。
2018ヴィンテージ、ロバート・パーカーのワインアドヴォケイト、97ポイント
こちらも日本でも2万円ちょっと。
ピソーニ・エステート・ピノ・ノワール・サンタルシア・ハイランズ 2014年
こちらは、先ほど登場したポール・ラトーが作るピノノワールのブドウを供給するピソニが自身のラベルで作ったピノノワール。ピソニはカリフォルニアのピノノワールの中でも有名な一流の畑だが、ソノマカウンティなどの地域と比較するとマイナーな存在。
そんなピソニから2本のピノノワールが登場するのは少し驚き。

【登場シーン】
北京ダックとのマリアージュで対決で神崎雫が選んだカリフォルニアのピノノワールとして登場
このワインこそはかの「ロマノ・コンティ」を産む名門ドメーヌ「DRC」の単独所有畑「ラ・ターシュ」のクローン
つまり同じ血を引く苗木を用いて造られた作品であるといわれている
うんそれゆえにコントラバスの響きのような重量感を持ちながら山に囲まれ海風をいっぱいに受ける テロワール由来の 吹き抜ける風のような爽快感をも携えている
さよう それは「北京ダック」の持つ世界観に躍動を与えている
出展:マリアージュ~神の雫 最終章~16巻#145、神の雫騎士団のコメント
だから皇帝は立ち上がり歩み出したのだ
そして大河のように流れだしたのだ

生産者 | ピソニ(Pisoni Vineyards) |
ワイン名 | エステート・ピノノワール |
ブドウ品種 | ピノノワール |
産地 | モントレーカウンティ/サンタルチアハイランド/ピソニ |
評価 | 2019:JD97, WE96 2018:JS91 2017:JD98,RP95,WE95 |
価格 | 実勢価格$120(入手困難) |
熟したチェリー、ラズベリー、ブルーベリーのゴージャスなノーズに続くミディアムルビー/パープルの色調(半透明)を示し、その後にクラシックなピソニのミネラル、もろいハーブ、スミレ、林床が続きます。
いつものように、このサイトは岩のようなミネラルのようなニュアンスの信じられないほどの感覚を与え、仕上げには岩のような感覚のリキュールがあります。すぐに飲む場合はデキャンターで1時間必要であり、15〜20年間の素晴らしい飲み頃を持つ。
2019ヴィンテージ、ジェブ・ダナック、97ポイント
こちらは日本でもあまりささそう。
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