2022年の1月に音連れたワイナリー、ビッグベイスンヴィンヤード。
サンタクルズマウンテンズAVAを代表するワイナリーのひとつ。この地域で人気のピノノワールの他に、ローヌ系の品種のワインを多くリリースしていて評価も高いワイナリー。
以前はサラトガのダウンタウンにもテイスティングルームがありましたが、今は森の中にあるワイナリーを訪れるしかありません。
交通の便は少し悪いですが、隠れ家的な雰囲気のとても落ち着いた素敵なワイナリーですし、ピクニックも出来て子供連れにもとてもおすすめのスポットです。
ワインももちろんとても美味しいです。
ワイナリーについて
サンノゼから車で約1時間ほど。レッドウッドが生い茂る森の中にあるワイナリー。

2020年8月の山火事の影響でビックベイスン州立公園は今も閉鎖されたまま。(道を間違えて行き止まりまで行ってしまいました↓)

こちらのワイナリーもオーナーさんの自宅(ブドウ畑の上に見える建物)が焼失する被害。幸い、ワイナリー自体は被害がなかったとのこと。

自然に囲まれた落ち着いた雰囲気ののどかなワイナリー。日曜日の夕方ということもあってかテイスティングしているのはうちを入れて2組だけ。
ブドウ畑の斜面をみあげながらのワインテイスティング。パティオにはソファーや暖房器具もあってのんびりすごせます。
食べ物の持ち込み、子供、ペットもOKなのでテイスティングしながらのピクニックにも良さそう。

”Handcrafted Wines from Ocean-Influenced Mountain Vineyards”ということで、こちらのエステート(自社畑)は海に近く冷涼な気候の影響を受けた山の中にあるワイン畑のブドウから手作りでワインをつくることにこだわっているようです。
有機栽培のエステート(自社畑)は10エーカー(東京ドーム1個弱)と小さいですが、その他に同じサンタクルズマウンテンズや近くのモントレーなどの地域の契約農家からブドウを仕入れてワインをつくっているとのこと。
テイスティング
テイスティングリストはこちら。

リスト上は全部で5種類ですが実際には6種類テイスティングさせてもらいました。費用は25ドルですが、2本買うとリファンドしてくれるということで比較的リーズナブルという印象。
では、早速テイスティング。
①シャルドネ:2015 Bald Mountain Vineyard Chardonnay
最初は白ワインのシャルドネ。こちらのワイナリーとおなじサンタクルズマウンテンズAVAの中のサブAVAであるベンローモンドマウンテンAVAにある唯一のブドウ畑でつくられたもの。
より海に近く標高も高い地域で「ザヤンテ」という白い砂質土壌が特徴の土地とのこと。
白い花の香り、レモンなどの柑橘家の果実が特徴的で程よい酸味とミネラルが感じられるとてもエレガントなワイン。フレンチオークで熟成とのことですが、樽っぽさはそれほど強くない。おいしい。

ワイナリー価格は60ドル。
②ピノノワール:2016 Coastview Vineyard Pino Noir

続いてはピノノワール。こちらのワイナリーから南、サリナスバレーとモントレー湾の素晴らしい景色を望むカビランマウンテンズの標高600メートル以上の場所にある契約畑「コーストビュー」からのピノノワール。ここから北に数マイルのところに日本で人気の「カレラ」のハーランマウンテンがあり、気候、土壌の共通点が多いとのこと。
ブラックチェリー、ザクロ、ミネラルと鮮やかな酸味が特徴のピノノワール。最新のヴィンテージは2018がリリースされているがこちらは2016なので程よく熟成が進んでいる印象もまだまだ熟成させてもよさそう。こちらもおいしい。

ワイナリー価格は70ドル。レイティングもJD(ジェブダナック)95ポイントをはじめとして高い。
モントレーのワインについてはこちら。
③ローヌブレンド:2017 Gabilan Mountain GSM

こちらも先ほどと同じモントレーAVAのガビランマウンテンズのワイン。GSMはグルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、のローヌ系品種の頭文字をとったのブレンド。2007年はそれぞれ45%、30%、25%とのこと。花崗岩と石灰岩の土壌、モントレー湾からの冷却効果がある土地。
その地域で有名なマウントハーラン(カレラ所有)とチャローンから調達したブドウからつくられているGSM。
ブラックチェリー、プラム、とイチゴなどの赤い果実、革、ミントなどの香りとフレーバー。少しエキゾチックでありながらさわかな酸味でエレガント。

ワイナリー価格は44ドル。
④グレナッシュ:2017 Grizzly Grenache

次はエステートのグレナッシュ。リストにはなかったけど出してくれました。今回のワインの中では個人的には一番好きなワインでした。花の香りがとても印象的なワイン。イチゴなどの赤い果実、プラム、革、ミントとフィニッシュにくるスパイスが特徴。

2012年からオーガニック認定を受けているブドウ畑。
2つのブロックから採れたグルナッシュでひとつはパティオの真上のこの写真の方向の畑でとれたブドウと言っていたと思います。
(まちがってたらごめんなさい)
ワイナリー価格は55ドル。
⑤カリニャン:2018 Wirz Vineyard Old Vine Carignan

こちらもモントレーのガビランマウンテンズの北東部にある契約畑のカリニャン。
個人的にもあまりなじみのない品種ですが、通常は酸味や渋みの強さからブレンドに使われることが多い品種とのこと。
クランベリー、プラム、ジャスミン、などのフレーバー、確かに少し歯茎を刺激するような渋みと酸味が印象的でしたが、単一でリリースをしているだけあってか強すぎるというより個性があるワインで新しい発見。

ワイナリー価格は41ドル、レイティングもワインエンスージアストで95ポイントと高く2021のベスト100の30位の選ばれている。
⑥シラー:2017 Sixty Two Terraces Syrah

こちらが最後のワインでグレナッシュに続いて2本目のエステート。100%クラスター発酵によってつくられているとのこと。
ブラックベリーなどの濃い果実、ユーカリ、ミント、胡椒などののスパイス。

畑はこちらの方向だったと思います。ブドウのとれた畑をみながらワインを飲むのは良いですね。
ワイナリー価格は55ドル。
まとめ
ワインは2本買うと1名分のテイスティングがリファンドされるので今回は、グルナッシュ2本とGSM、シラーを1本ずつ購入。シャルドネも美味しかったけど、60ドルだったので断念。
会員は一番少ないもので年2回 x2本のリリースでワインは10%のディスカウント、テイスティングは無料だったので、それでも良かったと少し後悔。(ただ、それだと自分でワインは選べないだろしいいかな。)
以前はサラトガのダウンタウンにも小さなテイスティングルームがあり何度か訪れたことがありましたがワイナリーに訪問したのは初めて。
交通の便は良いとは言い難いですが、大自然の中にポツンとある素朴な雰囲気でとてもいやされるワイナリーで畑を見上げながらピクニックをしてワインテイスティングをするには最適な場所。道の途中で本当にこんなところにワイナリーがあるのかと疑ってしまうほど。
ワインもピノノワール、ローヌ系品種とどれもエレガントで自然派、おいしいのでおすすめです。
Wine & Sprits Top100 ワイナリーに2021年にも選ばれている。