ポール・ラトーはセントラルコーストにある少量生産ながら評論家からの評価が非常に高く人気のワイナリー。
そのポール・ラトーでテイスティングしてきました。
訪問すると、創業者のポール氏が出迎えてくれ、その後もスタッフの方がかなり丁寧にワインの説明をしてくれました。(業者の人と勘違いされているのかと途中不安になりましたが大丈夫でした)
ワインはどれもレベルが高く満足の内容でした。
アクセス
サンタバーバラから北に1時間ほど、101号線を降りてすぐのところにある施設。いわゆるガレージワイナリーという感じの雰囲気のところ。
ホームページから予約すると電話が掛かってきて空いている時間を教えてくれました。
ワイナリーについて
【ポール・ラト】
ポーランド生まれのポール・ラトが2002年に設立したワイナリー。ワインづくりを始める前はソムリエとして世界中を旅してワインの研究をした。
サンタバーバラを中心にセントラルコーストの有名な畑との良好な関係からピノノワール、シャルドネ、シラー、グルナッシュなど単一畑のものやブレンドを小ロットでリリース。
ラト自身が世界中の最高のワインを味わった経験から調和、優雅さをもった最高のワインづくりを目標としている。上質な料理を補完するのに十分な構造とバランスを備えた、シームレスでテクスチャーのあるワイン。
ワイン作りや歴史についてテイスティング中に色々と説明してくれました。
歴史・ストーリー
オー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)でワイン作りを学んだこと、最初のリリースでまだワインの名前もつける前に、ロバート・パーカーから高い評価をもらい、成功にきっかけになったこと。
日本や他のアジアでも人気が高く、「心」というブレンドのピノノワールは当初は日本市場向けに日本のディストリビュータと作ったものが、今では米国内メーリングリストでも上位の人気になってる。
ナパバレーにあるミシュラン3つ星の高級レストランのフレンチランドリーとの関係
などなど。いろいろと説明してくれました。
日本でも人気の漫画「マリアージュ~神の雫最終章~」にも登場。
ブドウの調達・ワイン作り
【ブドウの調達】
全てのワインが契約畑からの調達をベースに行われているとのこと。サンタバーバラ内ではサンタ・リタ・ヒルズのいくつかの畑、サンタマリアでは、ビエンナシド&ソロモンヒルズ、などを中心にいくつかの畑。
もう少し北にある、有名なピソニという畑や、ナパバレーの南カーネロスにあるハイドという畑など。いずれも一流のブドウ畑から調達。
【ワイン作り】
かなり丁寧に説明してくれました。特に印象深いのは、同じ畑のものでも樽それぞれをブレンドして最高のバランスのものを作るとのこと。その中で同じ畑の最高品質の樽のものをブレンドしたものが「心」シリーズ。
テイスティング
テイスティングリストは特になし。計10種類をテイスティングさせてもらう。こちらがテイスティング後に並べられたワイン。白3銘柄、ロゼ2銘柄、赤6銘柄、という内容。
ホームページでは6種類のテイスティングとありましたが、訪問の際に時間はある?と聞かれて大丈夫とこたえると、どんどんワインを出してくれました。
2020 “Boogie Night” Bianco White Wine
爽やかなワイン、すっきりしていて夏の暑い日に良さそう。寿司にも良く合いそう。最初からとても美味しく期待が高まる。グラスに泡がついているのはコラヴァンを使っているから。
今年のブギーナイトは、芳香のあるマルヴァジアビアンカブドウをベースに構築され、高品質のヴィオニエから美しさの層を獲得します。
ライチ、ホワイトカラント、サンザシのエキサイティングなノートで始まります。味わいは予想外に乾燥しており、風味とバランスが取れています。
新鮮なパイナップルとハニカムの味わいです。ブギーナイトは素晴らしいアペリティフですが、さまざまなシーフード料理や寿司ともよく合います。
ポール・ラト
ワイナリー価格$40でしたが、既に完売とのこと。
2019 “Le Souvenir” Chardonnay
レモン、グレープフルーツ、白い花、スパイス、ミネラル、バランスが良く余韻もあってこれめちゃくちゃ美味しいワインでした。
ワイナリー価格$80
2019シャルドネ・ル・スベニール・シエラ・マードレ・ヴィンヤードは、果樹園と柑橘系の果物、スパイス、岩、ミネラル、海のアロマとフレーバー。
ミディアムからフルボディで、素晴らしい純度と精度、統合された酸性度、そして素晴らしい仕上がりを持っています。
間違いなくヴィンテージのトップシャルドネと一致しており、今飲んでも良いですし今後、5〜7年その満足は間続きます。
ジェブ・ダナック、97ポイント
2017年のヴィンテージが1万円台前半。こちらも97ポイントのワイン。
2019 “Goldberg Variations No.2” Chardonnay
ナパバレーの南端のカーネロスにある有名な畑、ハイドヴィンヤードのブドウからのシャルドネ。先ほどものもよりトロピカルで果実味が強いが花の香りやミネラルもありこちらも美味しい。
2019シャルドネ・ゴルトベルク・ヴァリエーションズ・ハイドヴィンヤードは、カルネロスの素晴らしいブドウ園から来ており、70%の新しいフレンチオークで16ヶ月間過ごしました。
メロンやパパイヤのようなフルーツ、白い花、トーストしたスパイス、ブリオッシュのようなアロマやフレーバーに、よりトロピカルなニュアンスを加えています。
これらはすべて味覚に引き継がれ、ワインは柔らかくしなやかで贅沢でありながら、素晴らしい純度と精度を示しています。これは、このエステートからのゴージャスなシャルドネのひとつで、4〜5年間保存されます。
ジェブ・ダナック、95ポイント
ワイナリー価格$85
1万円台後半で2019年ヴィンテージが日本でも買えそうです。
2021 “Manga Girl” Rose
サンタ・リタ・ヒルズのピノノワールのロゼ。マンガ・ガール。さわやかなロゼで夏に合いそう。
わやかで喉の渇きを癒す、最高のブドウ園から調達したこの美しいピノノワールのロゼは、イチゴとスイカの活気に満ちたノートでグラスから飛び出します。
マンガガールはその中心に熟した果実を持っていますが、ハイビスカスとジャスミンの鮮やかな花の香りが後に発達しますグラスの中でしばらく…それが十分に長く続くなら!
このプールサイドを飲むか、長い夕日を見ながら-あなたは失望することはありません。
2020ヴィンテージ、ポール・ラト
ワイナリー価格$35
2019 “Duende” Pinot Noir
サンタマリアのゴールド・コーストという畑のピノノワール。チェリー、ラズベリー、イチゴなどの赤い果実、わずかな土のような香り。
独自に根付いたマティーニクローンのブドウの木で、ゴールドコーストヴィンヤードはサンタバーバラ郡で最も特徴的でユニークなピノノワールの1つを作り出すと信じています。
熟したラズベリー、赤いビート、野生の花を鼻に持ち、上品なタンニンが口蓋を愛撫します上質なヴォルネのようです。
フレッシュで滑らかな後味は、さまざまな上質な料理を特別に補完します。
2020ヴィンテージ、ポール・ラト
ワイナリー価格$75
2020年ヴィンテージが1,4000円台。
2020 “Stand by Me” Pinot Noir
続いては、同じサンタバーバラのサンタリタ・ヒルズにあるドラムキャニオンという畑のピノノワール。先ほどよりも少しダークフルーツに近い。複雑でエレガント。
ラインナップの中で最も香り高く活気に満ちたワインであるStandbyMeは、ボイセンベリーとカシスの香りで始まります。
しっかりとしたダークベリーのフレーバーが口蓋に続き、ニュアンスとグリップを加えるエレガントで洗練されたストラクチャーによって補完されます。
上質なダークチョコレートを彷彿とさせるタンニン。すべてを強調するのは、ワインを長く満足のいくフィニッシュに導く魅力的な塩味です。
ポール・ラト
ワイナリー価格$85
2019 “Magic Moments” Pinot Noir
シャルドネの2杯目と同じカーネロスのハイド・ヴィンヤードからのピノノワール。
ナパのすぐ南にあるカルネロスから来た2019年のピノノワールマジックモーメントハイドヴィンヤードはすべて除梗され、50%の新しいフレンチオークで16ヶ月間過ごしました。
それは、私がどんなディナーテーブルにも持っていたいと思う、ラトからのもう一つの上品で、熟した、テクスチャーでありながら、それでもバランスのとれたシームレスなワインです。
ルビー/プラム/半透明の色調と、熟したチェリーとダークベリーの果実の複雑なノート、林床とスパイスを示し、ロシアンリバーのようなパワーレベルで、リッチでミディアムからフルボディ、そしてパワフルです。
ヴィンテージで最も口いっぱいに広がる努力の1つであり、10年ではないにしても、7〜8年間優雅に進化するはずのヘッドターナーです。
ジェブ・ダナック
ワイナリー価格$95
2020年ヴィンテージが1,5000円台。
2020 “Kokoro” Pinot Noir
単一畑のそれぞれの樽の中から最上級のものを選んでブレンドしたのがこちらの”Kokoro”
もともとは日本のディストリビュータからの依頼で日本市場限定に販売していたとのことですが今ではメーリングリストでも販売。最も人気の高い銘柄の一つになっているとのこと。
2019年のピノノワール「心」が大好きで、ラインナップの中で私のお気に入りの1つです。
このキュヴェは常にセラーセレクションであり、2019年はブドウ園の組み合わせから来ています。それは除梗され、75%の新しいフレンチオークで18ヶ月間過ごしました。
ロッキングブラックチェリー、春の花、スイカズラ、スーボアのノートはすべて鼻を定義し、それは純粋で、フルボディで、ゴージャスにバランスが取れており、統合された酸味、熟した、洗練されたタンニン、そしてフィニッシュにたくさんの塩分があります。
ここでのバランスは的確で、これはラトのもう1つの注目に値する、まっすぐなスリル満点のピノ・ノワールで、私のすべてのボックスをチェックします。
今から7~8年飲み頃として輝き続けるでしょう。
2019ヴィンテージ、ジェブ・ダナック、98ポイント
ワイナリー価格$90
日本では最近のヴィンテージは流通してなさそう。こちらは2013年、17,000円台。話題性もあってネーミングからも贈答ようなんかにも良いかも。ヴィンテージ的にも飲み頃でしょうか。
2019 “Ora et Labora” Grenache
続いてはグレナッシュ、サンタマリアの有名な畑ビエンナシドのもの。ビエンナシドを訪問した際には、2011年と2012をテイスティングしましたが、こちらは熟成も良いですが若くても美味しく飲めそう。
こちらは、ポールラトのもう一つのグレナッシュでバラードキャニオンの「ラミエール」からからそれほど遠くなく、確かに同様のレベルの洗練と優雅さを持っていますが、よりミネラルと海洋のような影響があります。
ブラックチェリー、ペッパーハーブ、砕石、フローラルノートはすべてノーズに現れ、ミディアムからフルボディ、ストラクチャード、濃縮されています。
これは1、2年のボトル熟成の恩恵を受けるでしょう。 10年後でも美味しく飲めます。
ジェブ・ダナック、94ポイント
ワイナリー価格$75
2019 “Cinematique” Syrah
こちらは、最後のテイスティングでサンタバーバラの少し内陸にあるバラードキャニオンのシラー。
その濃い紫/ルビーの色は、フローラルで信じられないほど純粋なミディアムからフルボディのシラーに続き、ラズベリーとブラックベリーの果実味がたくさんあります。
春の花、挽いたコショウ、オレンジの花、そしてブーケガルニのヒント。ほぼシームレスでエレガントで、完璧にバランスが取れており、熟したタンニンがあり、ハードエッジがなく、フィニッシュのモンスターです。
これはパワーとエレガンスが見事に調和したワイン。今後7〜8年かけて飲んでください。
ジェブ・ダナック、97ポイント
まとめ
全部で10銘柄テイスティングさせてもらってどれも非常にレベルが高い。
テイスティング価格は$65、6本購入でリファンドという内容。少し高いですが、なかなか手に入りにくいワインも多いし、価格も高いのでテイスティングしてから購入したいという人にはかなりおすすめのワイナリーです。
畑や景色を見ながら楽しむテイスティングではなく、本気でワインを買うために訪問するワイナリーという印象でした。
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