【カリフォルニア/ワイナリー巡り】Ridge Vineyards(リッジ)

ワイナリー巡り

コロナの影響もありなかなか訪問出来ていなかった地元にある世界的に有名なワイナリーのRidge Vineyards(リッジ)で久しぶりにテイスティングしてきました。

シリコンバレーを見下ろす景色とレベルの高いワインが魅力的でテイスティング料金も$25とリーズナブルなのでおすすめのワイナリー。

追加料金を払うと「パリスの審判」で30年後にダントツ1位を取った「モンテベロ」の試飲も可能です。

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アクセス

シリコンバレーの主要な場所からだとだいたい30分前後の場所。距離は20キロ程度ですが標高800メートル近くのグネグネとした道を上るので思ったより時間がかかります。

道が狭いですし、たまにサイクリングされている方もいるので運転は注意が必要です。

登り終えるとこんな景色です。うまく撮れてませんが、同じクパチーノ市にあるアップルの本社も良くみえます。

ワイナリーについて

リッジについて、少しそのワイナリーの歴史、モンテベロの気候や土壌、ワイン造りのこだわりについて解説します。

歴史

1885年にモンテベロ・リッジ(尾根)に1959年にスタンフォード大学の数人の研究者が土地を購入。

1962年にシグネーチャーとなるカベルネ主体のモンテベロをリリース。

1969年に伝説の醸造家となるポール・トレイパー氏が加入。

1976年「パリスの審判」で当時は5位、30年後の2006年には2位に18ポイント差と大きく引き離し1位を獲得したことで注目を集める。

数々の賞を受賞してきたポール・トレイパー氏は2016年に80歳で現役を引退したが引き続き会長として留まり、20年以上彼のもとで学んだ醸造チームがワイン造りの哲学を踏襲。

パリスの審判については以下で解説しています。登場するワインも紹介してますのでご参照ください。

1986年に日本の大塚製薬がリッジを取得しています。日本人ということでテイスティングに行くと説明してくれることが多いのですが、大塚製薬がリッジを取得後も特にワイン作りなどに口出しをすることはなくリッジの伝統や手法を尊重してくれているとのことでした。

気候・土壌

サンフランシスコの南、太平洋から25キロ、カリフォルニアでも最も冷涼な産地であるサンタクルズ・マウンテンズの標高400~800メートルに位置する。海からの距離と高い標高による冷涼な気候。

土壌はカリフォルニアには珍しく石灰質と粘土層の組み合わせ。この気候と土壌の組み合わせがブドウの成熟を遅らせ糖分の蓄積が比較的少なくアルコール度数が抑えられる。酸味とタンニンは高くなる傾向にあり、またミネラル感もあり長期熟成に耐えうるワインを生み出す。

ナパと比較するとエレガントな印象がするワインが多いですね

ワインづくり

「プレ・インダストリアル」と言われる自然でローテクな手作業によるワイン造りが特徴。

サンタクルズ・マウンテンズの中でも最大の有機栽培のワイン畑、土着の天然酵母を使用して小さな発酵槽で発酵。

過抽出にならないように、自然のタンニンの強さとのバランスをとるため細心の注意が払われる。

カリフォルニアのなかでも最もフランス的と言われるリッジのボルドースタイルだが「つくりたいのはアメリカのワインでありボルドーの複製ではない」という信念のもと、

樽はアメリカンオークにこだわっている。ヴィンテージごとに醸造法、ブレンドの比率、などをブライドテイスティングによって決定する。

テイスティングの際にも作り方やこだわりを丁寧に説明してくれます

ワイナリーの様子

駐車場を上った入り口。左手にテースティングルームや醸造所、右手は高台になっていて360°のパノラマでシリコンバレーが一望できる。

こちらがテイスティングルームのある建物。落ち着いた雰囲気で良い感じ。

中の様子。スタンディングでテイスティングも出来ます。

平日なので全体的に空いていましたが、土日になるとにぎやかです。

テイスティング

こちらがテイスティングリスト、リスト外で、2本がありましたので全部で6銘柄。これで25ドルはリーズナブル。

下のリストは、有料ですが追加で頼めるもの。モンテベロの最新ヴィンテージが20ドルなのでせっかくなのでこちらも頼むことにしました。

2021 Lytton Estate Rose

最初はロゼ、リストにはのっていないもの。グレナッシュとジンファンデル主体のロゼ。

リッジのもうひとつのワイナリーがあるソノマカウンティのドライクリークでつくられたロゼ。

さわやかな味わい。ミネラル感とメロンのような香りが特徴。

メンバーのみで市販はされていないようです。

2020 Estate Chardonnay

黄金色の麦わら色。柑橘類、バニラ、リンゴの香り。ミディアムからフルボディで、洋ナシの果実味、ミネラル感、ほんのりとした蜂蜜、長くクリーンなフィニッシュ。

ワインメーカーノート

柑橘類、酸味、ミネラルなどのバランスが良く複雑な味わいでさすがに美味しい。とてもレベルが高いワイン。

ワインスペクテーター94ポイントを始め評価が高い。ワイナリー価格は60ドル。

2019ヴィンテージ、日本でも1万円以下で購入出来そう。

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2020 Geyserville

ジンファンデル主体、カリニャン、プティシラーなどのブレンドワイン。毎年高い評価のリッジを代表するジンファンデルのひとつ。

こちらもソノマカウンティのアレクサンダーバレーにあるエステートのもの。

熟したクランベリーとカシスの香り。ココアとクローブを重ねた、味わいに焦点を合わせたダークブランブルフルーツ。鮮やかな酸味と贅沢な果実味のバランスが美しく、長くエレガントな後味へと続きます。

ワインメーカーノート

ジューシーでスパイシーな典型的なカリフォルニアのジンファンデルと違いエレガントで酸味のある複雑なワインでおいしい。今でもおいしいけど数年後に飲むのも良さそう。

こちらも毎年評価が高く、2019ヴィンテージは昨年末のWSトップ100の24位、2018ヴィンテージはRP96とこの価格帯のワインとしては非常に高いレイティング。ワイナリー価格は50ドル。

日本でも2018ヴィンテージが7,000円台

2018 Mazzoni Home Ranch

こちらもジンファンデル主体のブレンドでアレクサンダーバレーのもの、カリニャンの比率が42%とさらに高い。

ルビーガーネット色。

熟したチェリー、ザクロ、紅茶、甘いオークの香り。

エントリー時にエレガントな赤い果実。ミディアムからフルボディで、滑らかな粘土のミネラル感と長い余韻があります。

ワインメーカーノート

面白いブレンド。カリニャンが多いせいかしっかりとした酸味がある。こちらもさらに熟成させるとさらにおいしいかも。

ワイナリー価格36ドル

2012 Buchignani Zinfandel

ジンファンデル主体の最後は2012年のもの。こちらもソノマ、ジンファンデルが78%、カリニャンが22%。

深みのあるルビー色。

レッドチェリー、プラム、バニラの香り。

ミディアムボディ、ウェットストーン、チャパラル、ピリッとした赤い果実味、エレガントなタンニン、余韻の長い後味。

ワインメーカーノート

2012年のヴィンテージで良い感じで熟成していてまろやかになっていて飲み頃。

2019 Estate Cabernet Sauvignon

リストの最後はエステートのカベルネ。毎年ブラインドテイスティングでブレンドを決めているという。2019年は例年よりカベルネの比率が高く88%。

ブラックチェリー、プラム、紅茶、スギ、甘いトーストしたオークの香り、飽和した紫色。

味わいは、しっかりとコーティングされたタンニンと長い余韻で、フルーツ、バニラ、ミントをブランブルします。

ワインメーカーノート

ワイナリー価格70ドル

2018 Monte Bello

最後は2018年のモンテベロ、今すぐ飲むことはないので10年後、20年後どうなっているか想像しながらテイスティングしたいワイン。

不透明で飽和したルビー色。

カシス、フェンネル、コーラ、クローブナツメグスパイス、トーストオーク、ウェット砕石、紅茶、スイートドライシャパラルのアロマ。

熟したカシス、ブラックベリー、マウンテンブランブルの味わい。生き生きとした酸味と洗練されたビロードのようなタンニン。滑らかでフルボディ、長い余韻があり、石灰岩のミネラルと林床を示しています。

明るいのにエネルギーがあって複雑でバランスが良くエレガント。

エステートのカベルネを飲み比べのために追加でサーブしてくれました。やはりモンテベロの方が全てにおいて上回っているという印象。

RP、WSともに97ポイント、ワイナリー価格235ドル。

最近のヴィンテージはあまりなさそうですが、JS100ポイントと評価の高い2015年が3万円以下。

まとめ

コロナ以来始めてリッジでテイスティングしましたが相変わらずおいしいワインで感動。これからも定期的に訪問したい。

こちらのサンタクルーズ・マウンテンズにあるエステート(モンテベロ)自体はカベルネ、シャルドネなどを中心に限られた品種ですが、ソノマなどリッジ全体のワインをテイスティングすることも出来るというのも魅力。

会員になるとテイスティングは無料(モンテベロは別料金)。会員と言っても年に3本購入するだけ。あとは、モンテベロをリリースの2年前に格安で先物買い出来る(しなくても良い)という特典もついているのでお得なワイナリー。

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