【ワイン投資】メリットデメリットや代表銘柄と投資方法について解説

ワイン解説記事

ワイン投資って聞いたことありますか?

ほとんどの人が投資というと株式や債券などを想像すると思いますが、欧州では富裕層を中心に資産運用のひとつとして古くから行われてきた投資方法のひとつ。

最近では新しいプラットフォームが出てきたり、一般の方でもワイン投資が始めやすくなっています。

今回は、そのワイン投資について特徴、メリットとデメリットや銘柄の選定、投資方法を解説したいと思います。

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ワイン投資のメリット

  • 高い実績や利回り
  • 不況に強い、マクロ経済に鈍感
  • 現物資産であり自分で楽しめる、インフレにも強い

高い実績や利回り

こちらはワインの価格推移をみるのにベンチマークとして使われる指標のLiv-ex Fine Wine 100と、米国株の代表的なインデックスであるS&P500を比較したもの。

過去20年では同等のパフォーマンス。米国株は世界でも非常に良いパフォーマンスを出していたことを考えると非常に高い実績を上げているといえる。

2011年にはそれまでの特に中国、香港などを中心としたオークション価格の高騰からのバブル崩壊の影響もあり一時値段を下げたがその後着実に伸びている。

より分散の効いているLiv-ex Fine Wine 1000ではバブルの影響が少なく更に安定したリターンとなっている。

Liv-ex Fine Wine 100 って何?

Liv-Ex(London International Vintners Exchange)の代表的なインデックス。ブルームバーグとトムソンロイターで入手可能で業界のベンチマークとされるもの。流通市場で最も人気の高い100本の高級ワインから構成されている。ボルドーの5大シャトー、ロマノコンティなどを始めとしたワインの市場価格の平均値をとったもの。

その他にも、産地別などのインデックスがある。公式ホームーページはこちら

不況に強い、マクロ経済に鈍感

直近の例では、コロナの影響で一時的に暴落した株式市場と比較しても、その影響を受けにくい。また従来の投資商品との相関関係も低く、特に2011年のバブル崩壊後は低リスクで安定した成長を実現している。

ワイン投資を資産に組み込むことでポートフォリオのリスクを低減するという効果がある。

現物資産であり自分で楽しめる、インフレにも強い

株式や債券などの他の投資商品と違って現物資産。当然ながら売買だけでなく自分で飲んだり人にプレゼントしたりといったこともできる。2ケース購入しておいて価格が倍になれば1ケースは飲むといった楽しみ方も。

一度リリースされたビンテージのワインは減っていく一方なので時間の経過とともに希少性は増していく

また、現物資産であるためインフレにも強いという特徴がある。

おまけ:税制上の利点はあまりなさそう

アプリのプラットフォームなどでは税制上のメリットを強調しているところもあるが、これはイギリスやフランスでの話。日本ではあまり期待できない。一定額の控除などあるが売買益に対しては税金がかかってくる。

ワイン投資のデメリット

  • 維持費用、手数料などのコスト
  • 流動性が低い、短期投資には向かない
  • ある程度の知識が必要
  • 詐欺、経営破綻などのリスク

維持費用、手数料などのコスト

ワインはデリケートなのでしっかりと管理された環境で保管する必要がある。倉庫を借りる場合はそ保管費用が必要になるし、輸送費用もかかってくる。

また、保険も掛ける必要がありその費用も考慮する必要がある。最近流行のVinovestなどのようなプラットフォームを利用する場合は手数料がかる。

流動性が低い、短期投資には向かない

Liv-Ex(London International Vintners Exchange):ロンドン国際ワイン醸造業者取引所は存在し、市場取引も可能だが、基本的には売りてと買い手が相対取引を行うケースが多い。

市場規模も小さいので株式などと比較すると当然ながら流動性は低い。

そのため売りたいときに売れないという可能性がある。熟成による価値の向上などを考えても短期投資ではなく、長期的な投資が前提となる。

ある程度の知識が必要

自分で銘柄を選定して投資する場合にはある程度のワインの知識が必要。産地、生産者、ビンテージなどの基本的な知識。

本や雑誌(アメリカだと、ワインアドヴォケイトやワインスペクテータなど)やウェブサイトやブログなどを参考にして知識を得ていく。

詐欺、経営破綻などのリスク

ラベルを張り替えて作る偽物のワインを販売したり、ネット上での詐欺などのリスク。前者は、映画「すぱっぱいブドウ」などでも有名になったような事件があったり。

即日支払いを求めてくるような怪しいサイトや業者からは買わないように。

日本では、2016年に経営破綻したワインファンドのヴァンネットの事件が有名で悪いイメージを持つ人もいるかもしれません、ただこちらは特殊な事件なので「ワイン投資=怪しい」とうことではない

ただファンド自体はワインに限らず一定のリスクはあるのでそこは気をつけたい。

代表的な銘柄

銘柄の選び方

  • 希少性
  • ヴィンテージ
  • スコア
  • ブランド価値
  • 熟成

自分で銘柄を選定して投資する場合にはある程度のワインの知識が必要。産地、生産者、ビンテージなどの基本的な知識。

本や雑誌(アメリカだと、ワインアドヴォケイトやワインスペクテータなど)やウェブサイトやブログなどを参考にして知識を得ていく。

希少性があるか、熟成に値するかどうか、良いビンテージかどうか、批評家のスコアは高いか、ブランド価値があるか、などが投資に向いた銘柄を選ぶ条件として良く言われる項目。

希少性:大量生産しているワインではなく、ビンテージごとに生産量が限定されているものや、何か理由があって生産自体が少ないものなどは希少性の高いものが投資に向いたワイン。(例えば、アンリジャイエの作品は本人が既に他界しているためこれから新たに生産されることはなく希少性が高い)

良いビンテージかどうか:同じ生産者の同じワインでもビンテージによって出来が違うので、出来るだけ良いビンテージのものを選ぶ。ワインアドヴォケイトワインスペクテータなどのサイトからも調べられる。

こちらの記事ではナパバレーのカベルネ・ソーヴィニョンのヴィンテージ別の比較をしていますので参考にしてみてください。

評論家のスコア:各ワイン批評家や専門誌のポイントが高いワインが良い。特にワインアドヴォケイトのパーカーポイントで100ポイントをとったようなワインは価格が上がりやすい。こちらがパーカーポイントで100ポイント獲得のワイン。

ブランド価値:ボルドーの5大シャトー(ラトゥール、ラフィット、ムートン、マルゴー、オー・ブリオン)やペトリュス、ロマネ・コンティ、ドン・ペリニヨン、スクリーミングイーグル、などは誰もが知っていてブランド価値が高いといえる。

熟成に値するかどうか:長期投資を前提とするワインなので熟成に値するかどうかも当然重要なポイント。品種や産地、作り手、評論家のコメントなどから判断していく必要がある。

代表的な銘柄

実際にはどういった銘柄が投資対象なのか。例えば、インデックスを出しているLiv-exのデータによると、ボルドー、ブルゴーニュの2大ワイン産地がで全体の6割程度、イタリア、シャンパーニュ、アメリカという順。

2大ワイン産地が強いがイタリア、アメリカが少しずつ増えてきているといったところ。(参考:Decamter誌の記事

トップ10はこういった銘柄。5大シャトーやペトリュス、ドン・ペリニヨンなどがランクイン。

ちなみに、アメリカ(カリフォルニア)ワインでトップ100にランクインしているのは、スクリーミングイーグル、オーパスワン、シネ・クア・ノン、ハーラン、ドミナス、シュレーダー、といわゆるカルトワインが多い。

投資方法

1.自分でボトルを購入。

自分でボトルを購入。ワイナリーから直接購入したりオークションに参加するなどして購入したワインを自分で配送、保管、保険などを行う。初心者にはかなりハードルが高い。

2.ワイン投資のプラットフォームを利用する。

Vinovest, Vint, Cult Wine Investmentなどが代表的。少額から始められるものもあり簡単に始められる。

3.ワイン関連の株に投資。

アメリカだと、ナパをはじめとしてカリフォルニアに複数のワイナリーやブランドを展開しているダックホーン(NAPA)などの銘柄がある。

ただ、それ以外の関連銘柄は複数のアルコール事業を展開している会社やLVMHなどの高級ブランド企業が傘下にワイン事業を持っているというものとなる。

4.ワイナリーなどの直接投資、所有

アメリカのセレブなどはワイナリーに投資したり、所有しているケースが多いですが、一般人にはなかなかハードルが高いもの。

もう少しハードルの低いものだとクラウドファンディングなどを通しての投資などもあります。WineFundingはワイン専用のクラウドファンディング。

まとめ

既に株式や債券、ETFなどに投資をしている方でポートフォリオの安定、分散をするという意味で面白い投資対象ではないでしょうか。

特にワイン好きな方はワインの勉強にもなるし、飲むという選択肢もある。メリット、デメリットを理解したうえでプラットフォームなどを使って少額から始めてみるのも良さそう。

高級ワインにはコルクを抜かずに飲めるコラヴァンがおすすめ!

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