【アメリカワイン解説】世界的な高級ワインの産地「ナパバレー」の特徴と魅力

ワイン解説記事

世界的にも有名なカリフォルニアを代表するワインの銘醸地「ナパバレー」

そのナパバレーの地理、歴史、気候、土壌や代表的な生産地とその特徴や魅力について詳しく解説していきたいと思います。

恵まれた気候、多様な土壌、最先端の技術から生まれるナパバレーのワインを選ぶ際の参考になればと思います。

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歴史

napavintners.com

入植者であったジョージ・カルバート・ヨントによってワイン用のブドウが最初に植えられたのは1839年。その後、1861年にチャールズ・グリュッグが最初の商業用ワイナリーを設立し、続いて、ベリンジャー(1876年)、イングルヌーク(1879年)が設立。その後、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)による被害や、禁酒法の影響により、ワイン産業はしばらく低迷。

1933年に禁酒法が廃止されたことでゆっくりと回復していく。1940年代には現在では550のワイナリーを擁するワイナリーの業界団体であるナパバレー・ヴィントナーズが設立されるます。

1965年には近代カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィ氏がオークヴィルにワイナリーを設立、ナパバレーのワインのマーケティング活動や品質の向上に大きく貢献します。

1976年のパリでのボルドー、ブルゴーニュとのブラインドテイスティング「パリスの審判」における、シャトーモンテレーナ、スタッグスリープワインセラーズが白、赤の両部門で1位を獲得することで世界的にもナパバレーのワインの品質の高さを印象づけることに成功します

1981年にカリフォルニアで最初AVAとして認定されることになります。

その後も、UCデーヴィスなどを中心とした研究機関との連携やシリコンバレーなどからの資金などもあり、最先端の技術を導入、歴史を大切にしながらも技術革新を進めてきました。

現在では、世界を代表するワインの銘醸地としてその地位を確立。観光地としても人気が高くなっています。

地理、気候、土壌

地理

ナパバレーはサンフランシスコから北へ車で約1時間。長さ50キロ、幅8キロの狭いエリア。そのうちワインの栽培面積は45,000エーカー(180平方キロ)でフランスボルドーの6分の1、カリフォルニア全体の4%と知名度の割には規模は小さい地域となっています。

2つの山脈にはさまれた狭い谷で、東のマヤカマス山脈は寒流の太平洋からの影響を隣接するソノマカウンティより少し和らげる。東のヴァカ山脈はセントラルバレーの内陸性の灼熱の暑さから守る役目があります。

気候

2つの山脈に挟まれた、この地域は世界でも2%しかないといわれる地中海性気候長い成長期は、温暖で晴天の多い乾燥した気候で、昼夜の温度差が大きいことが全般的な特徴でブドウを均一に成熟させるのに最適な気候と言われています。

南にはサンパブロ湾があり、南端のロスカーネロスなどは冷涼で穏やかな気候、南にいくほど太平洋からの影響が少なく、夏は熱く冬は寒く降水量も多くなるという特徴。地形、丘や岩の露出、標高などにより地域内に細かく多様な微気候を作り出しています。

土壌

過去のプレート運動や火山活動などの地質学的なイベントによって火山性および海洋性の膨大な数の土壌が存在するのがナパバレーの特徴のひとつ。世界の約半分の種類の土壌がこの狭い地域に存在するといわれているほど豊富。

一般的には、谷底は比較的肥沃な土地のため濃縮されたブドウを生産するには厳重な管理が必要で、丘の中腹では岩が多く厳しいブドウにとっては環境となる傾向にあり高濃度で粒の小さいブドウを生産することが可能。

ブドウ品種と特徴

カベルネ・ソーヴィニョンが圧倒的に多く、栽培面積や生産量ではナパバレーの約半分、金額ベースにすると三分の二とさらに比率が大きくなりまさにナパバレーを代表する品種。

その他、黒ブドウではその他のボルドー品種(メルロー、マルベック、等)やピノノワール、ジンファンデルなどが多く赤ワインが栽培面積では全体の8割程度、生産量では7割程度となっている。

シャルドネはカベルネ・ソーヴィニョンに続く品種で白ブドウの半数以上がこの品種、残りはソーヴィニョン・ブランやその他の品種となっています。

カベルネ・ソーヴィニョン

カベルネ・ソーヴィニヨン

ナパバレー全体で栽培されており、ブドウ畑によってさまざまな異なった表現をうみだしている。スグリ、チェリー、プラムなどのブラック系のフルーツのフレーバー、オーク熟成によるスパイスの香りを示すことも多い。味わいは若くても濃厚で力強くなりますが、熟成によりさらに優雅でしなやかになっていくのもナパのカベルネの特徴。

シャルドネ

シャルドネ

ナパバレーで2番目に多く栽培されている品種。域内では比較的冷涼なロスカーネロスで特に多く栽培されている。醸造方法、技術などにより複雑なアロマとフレーバーをつくりだす品種でもあるためワイナリーにより異なった味わい。フレッシュでさわやかなものから、リッチで丸みのあるバターのようなスタイルまで多様。

メルロー

メルロー

ボルドーで行われているのと同様、カベルネ・ソーヴィニョンとのブレンドで使われることが多い。熟したチェリーの香り、土っぽさ、柔らかく滑らかなフィニッシュ。

ピノノワール

ピノ・ノワール

扱いが難しいこの品種はカリフォルニアの沿岸部で栽培されることが多いが、ナパバレーでもやはり南のサンパブロ湾から最も近いロスカーネロスが主要な産地。

ソーヴィニョンブラン

ソーヴィニヨンブラン

フルーツ、草木のアロマに鮮やかな酸味が特徴で、ステンレスやコンクリートなどで発酵されるケースが多い、一部、樽発酵されることもあり、域内ではフュメブランと呼ばれることもある。

ジンファンデル

ジンファンデル

古樹から造られたジンファンデルはスパイス、黒胡椒のアロマ、リッチでジューシーな味わい。大胆でスパイシーな味わいはバーベキューとの相性が抜群の品種。

その他

プチヴェルド、マルベック、カベルネ・フラン、シラー、プティシラー、ピノグリ、などその他にも多様な品種がナパバレーでは栽培されており、それぞれ個性的なワインとなっています。

代表的な産地

ナパバレーはそれ自体が1981年にカリフォルニアで最初に選ばれたAVAですが、さらに16の細かいAVAに分けられていて合計17のAVAがあります。

16のAVAがそれぞれ独自の気候、土壌をもっいて個性的だが、おおざっぱには3つの谷(バレー)、山(マウンテン)、湾(ベイ)と3つの地域に分けられています。

ナパバレーの中央に南北に長い谷(ナパ川渓谷)は、北から、カリストガ、セントヘレナ、ラザフォード、オークヴィル、スタッグスリープ・ディスクリクト、オークノール・ディスクリクト、クームズヒルの8つのAVAがあり、カベルネ・ソーヴィニョンの豊かで洗練されたスタイルで知られています。

南北のマヤカマス、ヴァカ山脈にある7つのAVAは、それぞれ北から、ダイヤモンドマウンテン・ディスクリクト、スプリングマウンテンディスクリクト、マウントヴィーダーが西側に、東側はハウエルマウンテン、チリバレー・ディスクリクト、アトラスピーク、ワイルドホースヴァレー、となっており、パワフルで大胆なワインのスタイル。

南端でサンパブロ湾に近く、隣接するソノマカウンティと共有しているロスカーネロスは、域内で最も冷涼な気候から、シャルドネ、ピノノワールが栽培されている。これらをつかったスパークリングの醸造地としても知られている地域。

オークヴィル

ナパバレーの中心部に位置する1993年にAVA認定された地域。ナパバレーの中でも卓越したカベルネ・ソーヴィニョンの産地として知られており世界的にも有名なワイナリーが集中している地域。温暖な気候で夏の日中は35℃前後まで上昇することもある、夜間、早朝の霧の影響で温度が下がりこれらの寒暖の綱引きは適度な酸味をもたらす。土壌は西側は砂利、粘土質ロームで東に行くほど火山性の土壌になる。

主な品種はカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネフラン、メルローなどのボルドー品種で、熟したカシス、ミント、しっかりとした構成、シルクのようなタンニン、リッチな味わい、豊かな果実味。白はソーヴィニョンブランも栽培されています。

約70のワイナリーがある。ロバート・モンダヴィ、ハイツなどの歴史の古いワイナリーや、オーパスワン、スクリーミングイーグル、ハーランエステートなど世界的にも有名なワイナリーは、も多数。

ラザフォード

SacrasheVineyard_Rutherford
rutherforddust.org

オークヴィルの北に位置し、気温は若干高く昼夜の温度差も大きい地区。土壌は西側は小石や砂利の多い堆積土と沖積土である程度の保水力がありオークヴィルよりやや肥沃度が高い。東側は果火山性土壌。

主な品種はカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネフラン、ジンファンデルなどがしっかり凝縮されたチェリー、ミネラル、土やほこり(ラザフォードダストなどと表現されることもあり特徴的)などのアロマ。豊かな風味は熟したカシス。しなやかなタンニン。白はソーヴィニョンブランも栽培されています。

この地区の有名なワイナリーは、ケイマス、イングルヌック、ガーギッジヒルズ、スタグリン、フロッグスリープなど。

スタッグスリープ・ディスクリクト

shafervineyards.com

1989年にAVAとして指定された地域。しばしば「谷(バレー)の中の谷(バレー)」と言われるように、東西を丘で挟まれた地域。気候は温暖で、むき出しの岩が太陽の光を反射する影響で近隣の地域より日中の温度上昇が早い。午後から吹くそよ風はエアコンの役割を果たす。土壌は火山性で平地では小石の混ざった水はけの良いやせたローム土。斜面では岩が多い。

主な品種はカベルネ・ソーヴィニョンでこの地域の80%を占める、その他はボルドー系のメルローや白ブドウのソーヴィニオンブラン。カベルネ・ソーヴィニョンは上質なチェリー系の香りと赤いベリー系の風味が柔らかなタンニンに支えられています。

この地区の有名なワイナリーはスタッグスリープ・ワインセラーズ、シェーファー、クロ・デュ・バルなどいずれもカリフォルニアを代表するカベルネソーヴィニヨンの生産者。

カリストガ

ブドウ園の長方形の写真
calistogawinegrowers.com

南北の山脈が交差するナパバレーの最北端にある2010年にAVA認定された地域。海からの影響が最も少なく気温が高く、標高も高いところでは360メートルあり、昼夜の温度差も最も大きい。冬の時期には雨が多いのも特徴で安定した乾式栽培を可能とする。土壌は火山性の岩盤と堆積物。斜面が多くこれらの組み合わせは、ミネラル、酸味のある濃縮されたブドウをつくりだすのに役立っています。

主な品種は、カベルネ・ソーヴィニョン、ジンファンデル、プティシラー、シャルボノ(カリフォルニア全体で76エーカーの栽培面積と非常に少なく、そのうち45エーカーがカリストガ)、シラー

この地区には50を超えるワイナリーがあり、代表的なワイナリーは、パリスの審判で有名なシャトーモンテレーナやアイズリー(旧アラウホ)、クロ・ぺガスなど。

ハウエルマウンテン

howellmountain.org

ナパバレーの北東に位置する標高400-800メートルの地域で谷(バレー)より涼しく降水量も多い。降霧線よりも高い場所にあるため、日照時間が長く海の影響もほとんど受けない。土壌は主に火山性で表土が浅くやせていて水はけが良い。

ハウエルマウンテンで栽培せれる品種はカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ジンファンデルなどでいずれもパワフルで硬くひきしまったワイン。ブラックベリー、カシスの風味と豊かなタンニン。酸もしっかりしていて熟成のポテンシャルも高い。白はシャルドネ、ヴィオニエなど平地のワインと比較するとエレガントで引き締まった印象。

ワイナリーとして有名なのはダンなど限られた数しかないが。有名ワイナリーがハウエルマウンテンにワイン畑を持つケースや、ブドウの供給元としての役割も大きいのがこの地区の特色のひとつ。

まとめ/ナパバレーの魅力

・ナパバレーは、恵まれた気候(地中海性気候)、多様な土壌(世界の半分の土壌が存在)、最先端の技術により世界的な銘醸地となっています。

・主要な品種はカベルネ・ソーヴィニョンで栽培面積の半数近く、その他ボルドー品種やシャルドネ、ピノノワールも多く栽培されている。特にカベルネ主体のボルドー品種は世界的にも有名。

・狭い地域内に16の細分化されたAVAがあり、大きく分けると、谷(バレー)、山(マウンテン)、湾(ベイ)に分けられ、栽培される品種の構成、味わいの特徴がそれぞれに異なり、個性のある多様なワインを楽しむことができます。

・オークヴィル、ラザフォード、スタッグスリープ・ディスクリクトはバレーの中でも特に有名でエレガントなスタイルのカベルネ・ソーヴィニョン、ボルドースタイル、山岳地帯はよりパワフルで長寿命なワインとなっています。

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